ボクが二十三歳の時の作品「ハンス・フアプーレ」を、改稿しました。

「ハンス・フアプーレ」 山下徹著 発行日 一九七三年冬 ガリ版二十部

                     二〇二〇年二月十六日 改稿

 この作品も前作「刻印」と同様、ボクのワイフ、えっちゃんがガリ版で本にしてくれた。ボクが二十三歳の時の作品で、四百字詰め原稿用紙百枚余りだった。

 ボクが二十代前半、えっちゃんが作ってくれた本は七冊あった。一冊は紛失した。今、六冊手もとにある。あの昔、友人・知人に配ったが、ホメテくれたのは、えっちゃん一人だった。

 それでも、後年、三十五歳前後の頃、同じグループで詩を書いていたある女性が、ホメテくれた。その頃ボクは「黙礼」という詩集で銀河詩手帳賞を受賞したが、二十代の作品の方が遙かにいい、そう言ってくれた。

 また、四十歳前後の時、ある男性、彼もなかなかいい詩を書いていたのだが、ある同人誌でボクの作品の評論をしてくれた。彼もボクの二十代の作品を評価してくれた。

 すべて、余りにも懐かしい思い出である。冥土の土産に、えっちゃんが作ってくれた本、藁半紙にガリ版で印刷したものだが、五十年近い歳月で劣化しておそらく十年後には解体・消滅するだろう作品を、すべて改稿しようと思う。えっちゃんに心から感謝して。

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