十八人の詩人たちがそれぞれの思いを込めて、言葉でかたちにしていた。
「リヴィエール173号」 発行所 横田英子 2020年11月15日発行
まず巻頭に現れた川本多紀夫の「疫癘(えきれい)の矢」は、アポローンの矢によって新型コロナを暗喩し、また、そのアポローンの本体を太陽のコロナへと重ねてゆく言葉が巧みだった。「せせらぎ」に書かれた散文「疫癘の矢のこと」を併せ読むと興味深い。
同じ花の詩が二篇あった。横田英子の「彼岸花」、石村勇二の同じく「彼岸花」。前者は美的な、後者は哲学的な彼岸花だった。
横田英子は、もう一篇、「梅花藻のほとり」という花の詩を書いている。振り返ってみれば、この詩人は、「父と鬼百合」(リヴィエール171号)、「ジャカランダの花」(リヴィエール172号)、この同じ172号の「編集ノート」の書き出しは、「百日紅が咲き出すと もう秋。」となっている。花図鑑の詩集とでも呼ぼうか、この詩人の作品は花に囲まれた美的生活を暗示する。
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