永井ますみさんから詩誌が届いた。十六人の詩人が書いた作品、七人の詩人の七篇のエッセイが収録されていた。
「リヴィエール174号」 発行所 横田英子 2021年1月15日発行
同人誌を読んでいていつも思うのだが、そして当たり前の話だが、同人それぞれがそれぞれ違った詩を表現している。従って、この現実から言えることは、詩はただ一つの理念ではなく、無数の人の書く行為によって成立する無数の言語作品だ、そう言えるのだった。むしろ、これが詩だ、そんな固定観念は有害な産物だった。
この詩誌を読んで、あくまで私の好みに過ぎないが、とりわけ、市原礼子の「本」は、四行四連、三行三連、最終一行、合計二六行の比較的短い詩行で構成されているが、奥行きが深く精度の高い鎮魂歌になっている。また、嵯峨京子の「蟷螂の子」は、グロテスクとさえ言っていい生命劇を巧みに描いている。
エッセイでは、石村勇二の「正論?によって傷つく人」に教えられるところ多々あった。人間とはこんなものだという先入観を相手からぶつけられて深く傷つく人もいる、私たちはそんな世界に生きているのだった。
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