指は白く

恋情よ

恋情よ

つのりくるおまえのゆくてを

ふみこえて

指は白く

足は白く

こころは白く 白くみがかれて

いかなる吹雪のめぶこうとも

わたくしはあなたのベエゼに近づく

 ♠ ♥ ♠

ひとたびも

かえりみられなかったわたくしの恋情は

かさなり つのって 讃歌になった

去り行く人へ 去り行く人へ

忘れられない 讃歌になった

 ♠ ♥ ♠

わたくしはわたくしの恋情に引きずられたまま

ずっと燃えつづけています

かつてあなたの傷口もまるで太陽のように熱かったのに

けれども なぜ ランプは突然消える?

それでもまだ

残り火になって揺らめく

この夜光虫たちの優しい偽証に

わたくしは引きずられ 眼を閉じるのです

 ♠ ♥ ♠

わたくしは願う せめて枯葉が

わたくしを中庭と信じてくれること!

 ♠ ♥ ♠

肉体は遠い

肉体には触れることさえ出来ない

それはただ まぼろしに過ぎません

夜 わたくしは輝かしかった少年時代を引き寄せた

あなたに見捨てられて

この世からそっと ひとり 離れたくなった

 ♠ ♥ ♠

恋に病んだものを

恋に病んでいないものは永遠に理解なんてできやしない

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