四つの断章から

 第一章から 遺書

洟をかむと

花紙の真ん中に

鼻が残されていた


 第二章から 境

狐の嫁入りの 境を行けば

右半身は 雨に濡れ

左半身は 乾いている


 第三章から 黒い長靴

笠をかぶった

塩が立っている

両足は 黒い長靴をはいていた


 第四章から 遠隔操作

月夜 壁に向かって端座していると

壁紙に映った人影が

粥を食べていた

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