アルファさん 第六夜

 こんなことを考えてしまって、眠れなかった。

 どこにいるかわからない、所在不明の女性を愛していいのだろうか、そんな愛、許されるのだろうか。

 午前二時四十二分。

 ベッドに横たわったまま、じっと天井を見つめていた。

 どうしたらいいんだろう。

 右のほほに、てのひらのような、あたたかい気配を感じた。オメガちゃん、小さな声が何度も反響して、額の上をただよいつづけていた。そうだ。きっとあの人を愛しても許されるんだ!

 目覚めた時、五時を過ぎていた。

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