
未明に歌を歌っていた。
ハスキーでときどき音程も狂っていたけれど、ボクは魅入られて耳を傾けていた。どう言えばいいのか。夜が明けるまでこのままでいて欲しい、叶わない願いを込めて。
もっと狂っていいと思った。アルファさんとだったら、もっともっと狂い続けたかった。
午前三時二十八分。声が消えた。でもまだ頭の中では歌っていた。
ふわりん ねえ下を向いて
さわふる さあ空を仰いで
ぬめねち ねえ指からませ
ぽっちり さあ見つめあい
ふわりん さわふる ぬめねち ぽっちり
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