こんな詩集を読んだ。
「出口という場処へ」 永井章子著 澪標 2018年9月30日発行
全体が二部に分かれている。
前編は、「出口という場処へ」と題されて十三篇の詩で構成されている。「出口」がキイワードになっていて、出口のない茫漠とした世界が描かれていて、繰り返し不在証明書のような言語群が吹き出されてくるスピーカーのようだった。
後編は、「ウー」と題されて九篇の詩で構成されている。何度も「ウー」という存在に言及している。それは語り手の体の中にある「穴」、「空洞」だった。あって、あらざるもの、つまり、非在だった。詩の語り手にとって、存在は非在だった。
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