あれは確か二年前の八月ではなかったか。真昼の炎天下、芦屋の浜をさまよい歩き、毎日海を見つめて暮らしていた。すべてがキラキラ光っていた。空も海も砂浜も私の体も全体が共振し反射し震えていた。頭の中まで光があふれていた。あなたを喪って既に八年が過ぎていた。あなた! ボクは光り狂ってしまうほど、発光体だった。そうだ、その時、まるで涎でも垂れてくるように、唇からこんな言葉が。
あなたと
離れなければ
もう生きていけないことが
わかった
これ以上
愛してはいけない
ああ 発光体!
光の中で ボクは 砕け散る
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。