金堀則夫さんから送っていただいたもう一冊の詩誌を読み終えた。
詩誌「交野が原」第96号 編集・発行人 金堀則夫 2024年4月1日発行
すべてを読み切った後、私は、私同様いわゆる「現代詩」に余り親しみのない読者にこんな提言をしたい。
どうだろう、こんなやり口は。まず、八木忠栄の詩作品「かんにん」(本書4~5頁)を読み、続いて金井雄二が八木忠栄詩集「キャベツと爆弾」を論じた書評「繊細さを包み込んだ大きな詩」(本書70~71頁)を読む。出来ればこの詩誌の前号、第95号を持っていれば、同じ詩人の作品「窓から見える」(第95号4~5頁)も併せて読んでみる。
あるいは、田中眞由美の詩作品「声」(本書42~43頁)を読み、続いて渡辺めぐみが田中眞由美詩集「コピー用紙がめくれるので」を論じた書評「構造的に分析する姿勢と生命の力」(本書72~73頁)を読む。また同じ詩人の作品「するので」(第95号58~59頁)を読んでみる。
もう一つだけ挙げてみれば、たかとう匡子の詩作品「思い出」(本書26~27頁)を読み、次に牧田榮子がたかとう匡子著「私の女性詩人ノートⅢ」を論じた書評「詩人から詩人へ手渡される熱意と愛」(本書94~95頁)を読む。もちろん同じ詩人の作品「月光をめぐる粗描(デッサン)」(第95号42~43頁)も読んでおきたいところだ。
一篇の詩ではよくわからなかったことも、こうした作業を丁寧に積み重ねていくと、眼前に少し隙間が開いてきて、向こう側のさまざまな言語作品世界が垣間見えてくるのではないだろうか。この詩誌はそんな楽しみも読者に与えてくれるだろう。
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