無数

 あの頃、手が何本あったのか、思い出せなかった。腕組みをして、昼下がりから夕暮れまで、窓辺に座って、空を見上げていた。やがて夜が来た。

 空には無数の手があるのがわかった。星が無数にあるように。

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