松川紀代の詩集「頬、杖」を読む。

 静かに、平明な語り口の短詩三十四篇で構成された詩集だった。

 「頬、杖」 松川紀代著 思潮社 2024年6月25日発行

 子供のころのさまざまな回想、老いた現在の雑感、親族の思い出、また、夢を書き留めた詩も四篇あった。

 いずれにしても、わかりやすく、ひょっとしたらたまには死の足音を耳にしながら、部屋の片隅でちょっと書き留めておいた、そんな老いの手すさびの味わいがする詩集だった。

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