きょうも炎天下の真昼、芦屋浜から総合公園を歩いた。
芦屋浜では数名の人と出会った。堤防沿いに私は西に向かっているのだが、前方から東に向かう女性がいた。おそらく汗だくだろう。伏し目がちな額に汗がにじんでいる。おかっぱみたいな髪型だけれど、もう六十は過ぎているに違いない。
堤防の階段にも一人の男が座っている。上半身裸で、帽子も被っていない。かなりの年配だが、健康のために日光浴をしているのか。水際近くでは四人の若い男がスポーティーなスタイルで東に向かって海沿いに弧を描いて小走りに移動してゆく。
浜では六名の人と出会ったが、広い総合公園では誰もいない。正面の北の空に大きな入道雲が立っている。散歩の終わりが近づいてきた。やがて公園の管理事務所前の花壇へ出た。
軒下のベンチに初老の女性が一人座っている。少し俯き加減になっている。弁当でも食べているのだろう。昔、亡妻と連れ立って散歩した時、彼女はよくこう言って私を花壇に誘うのだった。「ちょっと花が見たいから、寄っていい」。
あれから十年の歳月。寒暖を問わず、私は一人で同じ道を歩いてきた、自問自答を続けながら。
絶望を語り
愛を語る
*写真は、芦屋総合公園の管理事務所前にある花壇。午後零時過ぎ。
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