炎天下に書く

 午後零時。もっとも影が短くなる時間に、炎天下を歩く。

 十年前のこの日、私は終日、緩和ケア病棟にいた。あなたは既に死の中に住んでいた。

 なすすべはなかった。いまもなすすべもなく、ただ炎天下を歩いているだけだった。

 あなたに

 みちびかれて

 もういちど

 詩をかいている

 とりつかれたように

 毎日



*写真は、芦屋総合公園の西南端付近からスマホを六甲山に向けた一枚。

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