懐かしい道がある。それぞれの人の思い出の中で、それは一本の道かもしれないし、あるいはまた、複数かもしれない。
もう二十一年も前の話だ。そこは高台になっていて、まだ新しい公園で植えられたばかりの低い樹木越しに海が見えるのだった。二十一年も前の話だ。今では樹木も育ち、海は見えない。二人でよく歩いた道だったが、十年前からはほとんど歩いていない。
十年目の八月十五日
海は見えなかったが
あなたと歩いている
そんな気持ちがした
*写真は、芦屋市総合運動公園の運動場とその南側に並ぶ樹木を八月十五日午前八時ごろスマホで撮った一枚。二十一年前はまだ若い低木でその先に芦屋の海が見えた。運動場の北側は緩やかな芝生の斜面の観覧席になっていて、その上の高台は運動場の北側を東西に結ぶ遊歩道になっている。いま、私はそこに一人で立っている。ちなみに、この遊歩道が総合公園の中で一番高い場所だった。
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