疲れた。もうもうとしている。といって、牛じゃあないけれど。
だったら、横になって、しばらく休みな。
君、優しいね。それじゃあ、言葉に甘えて、寝るとするか。
あした、冷たくなってるかもしれないけれど。
うん、そうなんだ。この十年、いつもそう思って、ベッドに寝転んでいた。でも、翌朝、あったかいまま、起き出した。夜の想いなんてすっかり忘れて。
そうだね。どうせいつか冷たくなっちゃうから、夜の夢や妄想なんて忘れて、昼は昼の思いでしっかりやっていこうじゃない?
昼は昼、夜は夜、か。だけど、昼のさなかでも、いっそ死にたい、そんな切なくなっちゃう瞬間もある。たまにね。
夜の君も、昼の君も、結局、同じニンゲンだからね。
そこなんだ。夜ばかりか、昼間でも毎日あの女が出て来るんだ、十年前に亡くなった……
いいね。彼女に皆勤賞あげなくっちゃ。
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