
宮武孝吉さんから詩集を送っていただいた。
「千葉県詩集」第57集 発行人/秋元炯 発行人/千葉県詩人クラブ 2024年11月3日発行
一〇六名の方が詩を寄稿しておられる。それぞれ二頁が割り当てられて一篇の詩を発表しているが、中には二篇乃至三篇の短詩を発表している方もおられる。
言うまでもなく、各人によって表現世界が異なっているのは多言を要しない。ただ、全体的な傾向として、現在から未来よりも、過去に向かって時間を遡及する作品が散見された。「追想」詩、あるいは「回想」詩、そう呼べばいいのだろうか。昭和二十年前後を挟んだ記憶を言語にしている作品もそれなりにあった。それぞれ、その人しか書けない経験の言葉化が、私の眼前に凝固していた。
さて、無謀な試みをして、この感想文の幕を降ろしたい。あなたなら、この作品群の中から一篇だけ好きな詩を選ぶとしたら、どの作品?そんな無謀な質問への私なりの答え。嵯峨恵子の「旗」。白紙の上に、虚構と妄想の美が浮かんでいる。
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