カテゴリー:文学系
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井上ひさしの「父と暮せば」
この戯曲は、広島に住む父子の家庭が原爆に被爆、倒壊した家屋に下敷きになった父を猛火の中で救えず自分だけが避難して生き残った二十歳の娘が、三年後、恋人に出会い、はたして「父を捨てて生き残った」自分が幸福な生活を選ぶこと…詳細を見る -
山口勇子の「荒れ地野ばら」
この物語は、広島市にある清栄女学院で同じクラスになったふたりの女性、野田槇子と堀井芙由、彼女らはふたごと間違えられるくらい似かよっているのだが、このふたりが、一九三五年から一九四五年の十年間、いったいどのような世の中…詳細を見る -
松谷みよ子の「ふたりのイーダ」
歩きながらおしゃべりする椅子が主人公である。この主人公に、小学校四年生の直樹と二歳十一ヶ月の妹のゆう子、それからおそらく二十五歳前後のりつ子、この三人がからみあって物語が展開する。 「ふたりのイーダ」 松谷み…詳細を見る -
井上光晴の「地の群れ」
ワイフを喪ってからおおよそ五年間、ボクはテレビをまったく見ていない。もともとボクはテレビッ子ではなかった。ワイフが存命中の時でもせいぜいニュースを少し見る程度。そのうえ、今はネットがあるので見たいニュースだけクリック…詳細を見る -
永井隆の「ロザリオの鎖」
一九四五年八月九日の長崎に投下された原爆で、自宅にいた妻を失い、著者自身も長崎医科大学の自室で学生の外来患者診察の指導のためのレントゲンフィルムを選別していた時に被災、傷病をかかえたまま救援活動に徹した記録は著者の書…詳細を見る -
永井隆の「長崎の鐘」
この著作も、原爆の被爆者が書いた他の所謂「原爆文学」と同様に、片岡弥吉の序文によれば、既に一九四六年八月に脱稿していたが、占領軍司令部の発行差し止めにあう。その後、一九四九年一月、日本軍が行った「マニラの悲劇」を付録…詳細を見る -
松尾あつゆきの「原爆句抄」
この本は、「原爆句抄」として自由律俳句二百二十句、日記から「爆死証明書」、この二篇で構成され、荻原井泉水の「序にかえて」、著者の「あとがき」、被爆した家族の中で唯一生き残った著者の長姉の子、平田周の「復刊によせて」が…詳細を見る -
石田雅子の「雅子斃れず」
この著者は、一九四五年、十四歳の時、父の転勤にともなって東京から長崎に転居し、県立長崎高等女学校に転校、学徒動員で三菱兵器製作所大橋工場に勤務中、八月九日、原子爆弾に被爆した。 東京の学校に在学中で長崎に転居…詳細を見る