カテゴリー:文学系
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年末、モーパッサンを読む
その昔、二十歳の頃、フローベールの「ボヴァリー夫人」を読んで、おもしろくないと思った記憶が残っている、ただ教養のために最後まで我慢して。もともと性急でこらえ性のないボクは、長編よりも、むしろ彼の後期の作品「三つの物語…詳細を見る -
北村順子の短篇集「晩夏に」
一気に読んでしまった。一言でいって、常に前進する時計の時間ではない、収録された九篇の作品を読みすすむにつれて、生きている時間が流れてきた、登場人物たちの現在と過去の落差、その切り口に無音の血が零れている、そんな生きて…詳細を見る -
「カラマーゾフの兄弟」再読
この本の巻末の年譜を見れば、懐かしい書名がずらりならんでいる。ドストエフスキーが二十四歳で書いた「貧しき人々」から始まり、「分身」、「白夜」、「虐げられし人々」、「死の家の記録」、「地下生活者の手記」、「鰐」、「罪と…詳細を見る -
ホセ・ドノソの「別荘」
ホセ・ドノソの小説を初めて読んだ。 1980年代半ば辺り、日本でもラテンアメリカ文学のブームがあり、集英社から「ラテンアメリカの文学」全18巻が出版されたりした。ボクもブームにのって、ボルヘス、マルケス、フエ…詳細を見る -
もう森へなんか行かない
昔読んだ本の細部が夢の中で浮かんできた。 西脇順三郎と石川淳が対談している。松尾芭蕉の「笈の小文」を「オイのコブミ」ではなく「キューのショーブン」と読むべし、西脇が主張している、石川は反論しているが。おそらく…詳細を見る -
ただひとりの読者を失う
きょうはふたつの作品を読んだ。 リジイア(ポオ小説全集Ⅰ、阿部知二訳、東京創元社) ヴェラ(リラダン全集Ⅰ、齋藤磯雄訳、東京創元社) 両作とも愛しあったままこの世を去った妻が、後日、夫の前…詳細を見る -
「芦屋芸術8号」が出来ました
きょう、「芦屋芸術8号」が製本・印刷をお願いしていたコーシン出版さんから送られてきました。山中従子の「始まり」他二篇、山下徹の「青いひかりの手記」、それにいつもの通り、「芦屋芸術」のホームページに書いたボクのブログか…詳細を見る