カテゴリー:山下徹の詩
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親水公園にて その35
耳底で皮をむくような音がしている。ズルズルしたり、ズルリとしている。なんだか全身の皮がむかれているんじゃないか、そんなイヤな気持がして、わたしはベッドから体を引きはがした。午前二時。スッカリ頭が冴えてきた。手持無沙汰…詳細を見る -
親水公園にて その34
日本海側を北東に進んだため、私の住む町にはこの台風の影響はさほどなかったのではあるまいか。夜更けに目覚めて、静寂の中を、雨だれが何かをたたく連続音が枕もとまでタンタン騒いできた。しかし強い台風の特徴、風の荒々しい絶叫…詳細を見る -
親水公園にて その33
あの女と もう一度 話がしたい 道ばたの 赤い彼岸花を見ながら 何故か そんな言葉が浮かんできた *台風十四号がまだここまでやって来ない、夕方の五時前。親水西公園の川沿いに咲く赤い彼岸花。…詳細を見る -
親水公園にて その32
夏の間、毎朝庭の掃除をしていると、早くからもうアリが活動しているのがわかる。私が小さかった頃と違って、最近は黒いゴマの実より細かいアリばかりだ。大きなアリはいない。地中から粉末のような砂を巣穴の周りに積み上げている。…詳細を見る -
親水公園にて その31
歩いていると まだ生きているのが わかる 夏が終わった *午後五時過ぎ。親水中央公園西側の橋。私は毎日二回、昼と夕にこの橋を渡り、芦屋浜に出て海を見ている。 きょうは台風十四号の影響か、…詳細を見る -
親水公園にて その30
あなたを通り抜けて わたしは歩いて 出た 透きとおっていた それほど 死が近いのだろうか *朝九時過ぎ。親水公園の西側から東を撮った。夏枯れたアーモンドの木、雑草に埋もれたローズマリー、街灯、マ…詳細を見る -
親水公園にて その29
悲しかったら 悲しいままで 死んでいいと思う *午後一時前、親水中央公園の西側の橋から東に向かってスマホを向けた。手前に咲いているローズマリーの先、アーモンドの木は、晩夏の苛烈な日差しにまるで枯れ木の…詳細を見る -
親水公園にて その28
人間は 孤独だから 言葉が あるのかもしれない 孤独だから 話しかけるのかもしれない 孤独だから 好きだと言うのかもしれない 孤独だから 無言で あなたと愛しあうのかもしれない…詳細を見る