カテゴリー:山下徹の詩
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ヘイ・ヒョコ・メリッケン小唄
優しくされたら うれしくて ヘイ 冷たくされたら かなしくて ヘイヘイ 雨ざらしの下で 生きてるんだもん ヒョッコン 腹ペコのままで 泣いてるんだもん ヒョコヒョコ あおむいたまま 倒れていく …詳細を見る -
あなた以上にあなたを知っているもの
いまから思えば、ほとんど心の奥底からほとばしりでた叫びに近い文章ではなかったか。私が知っていた彼。私より七八歳年長だった彼。もう六十年近い昔の話だが。その彼が遺した文章、まだ十代半ばだった私はそれをむさぼるように読ん…詳細を見る -
逃げるために生きる日々
深夜の町を彼はさ迷い歩かなければならなかった。二人の男に追跡されながら、疲れ切った彼女を引きずるようにして路地裏を迷走するのだった。 彼女、とりあえずE子とでもしておくが、日本国内で或る事情があって彼等はカン…詳細を見る -
「だった」は過去形だった
今夜は眠れなかった 好きだった女の夢を見て ベッドで寝ころんでいた 点々とした いや 間違った 転々だった だが決して夢の女ではなかった 思い出だった 一時 彼のワイフだったから つまり …詳細を見る