
指の尖端が走っている
混雑した電車の中
夕暮れ あふれかえる人混みの街角
日曜日のむせかえる百貨店
彼等の無数の指先が
無数の針 無数の錐 無数の矢の尖端になって
ひゅうひゅう ぴんぴん 飛来してくる
ああ見て
とても痛いわ
あたしの体中を つんつん ちりちり 突き刺して
苦痛の中で 恐怖の中で
ごらん 傷だらけよ
全身 血まみれになって
みんなから血人と呼ばれて
失神する みじめな女優
だから お家に帰って ひとりぼっちで
不安の中に沈没している 壊れた 小さなお舟
両肩に あたしの愛人 二匹の小犬を乗せて
わかる トンちゃん
これがあたしなの
そんなあたしだけど トンちゃん こんなにも病んでしまったあたしだけど
お願い もっと愛して欲しい
コメント
この記事へのトラックバックはありません。







この記事へのコメントはありません。