最後の夜 イヴ

昨夜

帰宅時

タクシーの車内で

後部座席の左隣に座っているYOUの

右手を

TONの左手が握りしめた その時

振り払って

両手を体の前に組み合わせて

素知らぬ顔で

前方を 進行方向を 見つめているYOU

何かが破れた TONの中で 破れて シャワシャワ千切れ落ちた

YOUの扉への階段を上っていた両足を止め

踊り場で 背中を向け

振り返りもせず

TONは階段を下り始めた

十日後の

二十四日

イブ

いつものレストランで落ち合う この夜

この夜を YOU ボクたちの最後の夜にしよう

ふたりの別れの

こんな言葉をつぶやきながら

ポケットに両手を突っ込んで

階段を下りていく

TONの靴音

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