汚名返上

 これは序文だと言われた。よく見ると、彼の左手の中指と薬指の間から一本、細い管が突き出している。これだ、これが序文だ。

 おまえが昨夜書いた本文、「いわれなき汚名」、あの短編作品の序文が、お前の体内で悲鳴を上げて、ごらん、中指と薬指の間から一本の管になって体外へ突き出している。その管からは時折、一滴、黄緑のシズクが垂れて来るだろう。それが、「いわれなき汚名」、に対するおまえのささやかな抵抗、「汚名返上」、だ。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る