未明の天井

あっというまに 消えることもある

そうだよ

わかるだろ

わたしは あなたのことを

言っているのだよ

そうじゃないか

あなたが 膵臓がんで 一瞬にして消えるなんて

もし 消えていなければ

この十一年間 まったく違った わたしたちの歳月になったと思う

あなたが そばにいれば

それはそうだと 繰り返してみても

無論

だが

もし なんて ない

当たり前の話じゃないか

安心してくれ

それは 充分わかっている

もはや ない は わかっている

どうして わたしは

こんなわかりきった話を 未練がましく 何度も

未明 ベッドに寝転んで 天井を相手にして

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