コクトーの「大胯びらき」を読む。

 こんな本を読んだ。

 「大胯びらき」 コクトー著 澁澤龍彦訳 福武文庫 1994年11月4日第8刷

 オシャレな青春小説だった。コクトーの趣味があちらこちらからにじみ出てくる気持ちがした。言うまでもなくコクトーは詩から映画までなんでも一流選手だが、少なくとも現在の日本の詩人の中からは彼のような芸術家は生まれないだろう。おそらく変に言葉だけにこだわって、そもそもニンゲンの内部にあるカオスから噴き出してくる音や形を直視しようとしないのだろう。

 また、解説も特異なものだった。解説者出口祐弘はこの本の著者コクトーよりもむしろ、ほとんど澁澤龍彦の翻訳について言及していた。「大胯びらき」を澁澤龍彦は二十五歳の時に翻訳した、そしてそれが初めて彼がこの世に送り出した本だった。それだけでも一読する価値がある本だと言っていいのかもしれない。

 余談にはなるが、そして解説者出口裕弘も紹介しているが、これを機会に、ぜひ、澁澤龍彦の翻訳したマンディアルグ作「大理石」も一読してほしい。私の個人的な懐かしい読書体験かもしれないが、スバラシイ、この一言に尽きる。

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