別れの合図

また、ここにもどってきた。もう二度と、帰らないと、誓ったはずなのに。

瞳が浮かんでいた。いったい誰の? おそらくは、あの……確かに浮かんではいるが、いかなる動力で空中移動しているのか、皆目わからなかった。それは無音だった。

静かだ。この静けさを破るのは、スマホの着信音だけだった。

 これでいいのだ

 いまは 束の間 天井に 瞳が 浮かんでいるだけで

 ひとつの別れの合図だろうか 

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