
しじまがあった。こんな言葉が口をついて出できた。未明。二時を過ぎたところだった。ベッドに仰向きに横たわって、まだ、瞳は閉ざされていた。けれど、はっきり、しじまがあった。この一節が鎖されたマブタに浮かんでいた。
音はなかった。ただ、この季節にしては寒く、クーラーをつけて眠っていたので、その低い音だけが反復していた。ふうぅ ふうぅ ふうぅ そんな連続音が。
従って、いま、存在しているものは、鎖されたマブタに浮かぶ文字、しじまがあった、連続音ふうぅ、そして彼の内部の暗闇、このみっつだけだった。
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