
―ヤミオ。あたしたち、もう一度ニンゲンにもどることって、できると思う? 今のあたしの最大の関心事よ。ニンゲンって、もうニンゲンでもないのに、またニンゲンになるなんて、そんなこと、できる?……
―確かに今じゃ、リカは緑汁、ボクは藍汁だね。絶えず空間を流れては、愛しあって、緑と藍の縞模様になって、きゅうきゅう締めあって、この欲望だけが生きがいになって、食欲も金銭欲もまして出世欲なんてからきし無縁なんだから。だから、リカの言う通り、ボクラはもうニンゲンじゃあない。汁状生命体……
―だけど、やっぱあ、もう一回でもいい、財布にお金をいっぱい入れて、ヤミちゃん、あのスナックでデートして、カラオケでデュエットしたい、あなたの肩を抱きしめる両手が欲しい……ニンゲンだった昔が懐かしくって、昨夜、ヤミちゃんに捧げるこんな唄を作ったの。聞いて、ねえ、聞いて、こんな唄……
花火 作詞作曲リカ
まだ五月なのに
鼻火があがった
綺麗な
鼻火ですね
リカがそう言ってくれた
だから また
鼻火が出た
噴き出した
ヤミオのふたつの穴から
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