愛情を知らない女

 そんなバカな話が、誰しもそう思うかもしれない。だがこれが事実なのだ。かいつまんで話しておこう。リカの不条理な生い立ち。信じられない母親のもとで。

―あのね、わたしね、四人姉妹の長女だったけど、あとの妹たち三人とはまったく違う顔立ちだったの。そもそも両親ともどこも似てやしない。なぜか美人だった。それがわたしを不幸のどん底へおとしいれた……

 でね、私の母は病院がよその子と間違ったって、幼い頃からずっと言い続けていたの。母ばかりではない。妹たちも、誰も彼もがわたしのこと、<ヨソの子>って呼ぶの。

 おかしいでしょ。わたしは<ヨソの子>で育ったの。こんな歳になるまで、ずっとよ、ずっと……

 今から四年前、母は私の髪の毛を切って、それで病院にDNA鑑定を頼んだ。ヤミちゃん、どう思う? これって……

 結果、母は私が生まれて数十年たって<ヨソの子>じゃなかった、自分の子だってわかったの。一言も謝罪はしなかったけど。

 だから、ね、わかるでしょ。わたしは愛情を知らない女。ヤミちゃん、ねえ、ヤミオちゃん、ほんとのところを聞かせて、嘘はイヤ、どうぞ、正直に教えてください、こんなリカちゃんのことを。

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