甘い音

 音が聞こえることはないだろうか。ひょっとしたら、これは音じゃないかと。

 そんなとき、あなたならどうする?

 二三日前にこんな質問をあなたにしたら、即座に逆襲されたね。こっぴどく。「音」っていうけど、それって何の音? そこをはっきりしてよ。金輪際、やたら抽象的な話して女心を惑わせようとするなんて、止めて。イヤよ。あたし、そんなの、許さない。絶対、ダメ!

 違うんだ、実際聴こえるんだ。シンシン、だったり、ミーミー、だったりして。外から聞こえてるのか、内から聞こえてくる幻聴なのか。あなたに教えて欲しい。ゆっくりお話ししたいと思ってもいつもすぐサヨナラしてしまうけど。ダメかい。たまには。もうちょっとそばにいて、わたしにシンシン聴こえてきたら、この音があなたにも聞こえるか、どうだろうか、あなたの右の耳を、わたしの左の耳に近づけて、しばらくじっと耳を澄ませて聞いていて欲しい。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る