
「胡蝶の夢 鵲の夢」 落山泰彦著 発行人/落山泰彦 編集人/伊奈忠彦 2025年6月30日発行
一気に読んでしまった。おもしろい本だった。この本は自伝とか自分史の分野になるのだろうが、そうとは言い切ってしまえない。主に明治から現在までの著者がかかわった時代とその中に生きる人々を語りながら、その背景に生きる自らを語るという、物語性の色濃い自分史だった。従って、巻末には、フィクションとノンフィクションを交錯させて織りあげられた二篇の物語を読者に語りかけて、この本の幕を下ろしている。
かつての自分史や自伝ではありえないが、この本は俳句や短歌で遊んだ世界から始まり、さまざまなエッセイ、長くこの世に生きてステキな人生を教えてくれた三人の人物を論じて長寿への讃歌を描いている。また、生まれ故郷から八十七歳にならんとする現在までの歩みを重くならず極めて軽いタッチで読みやすく、わかりやすく、読者に語りかけている。老若男女を問わず、爽やかな読後感を残す一冊だった。
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