亀と家出

 最近、金曜日の夜の恒例儀式になってしまった。だから昨夜も行きつけのスナック二軒を回った。帰宅したのは午前零時を回っていた。

 一軒目では、カウンターの右隣に六十代の女性がいて、夫と死別して十年になるという。私は妻と別れて十一年。このスナックには小さなステージがあり、二人でデュエットした。「男と女のラブゲーム」、「別れても好きな人」、この二曲。

 二軒目では、女性がひとりぼっちでいるソファーにママにすすめられて同席。他のソファーに三人の先客。女性は五十一になるという。北海道から西ノ宮、ごく最近に芦屋。いま、芦屋ってどんな町か探検中。

 私は丸山圭子の「どうぞこのまま」、ケイ・ウンスクの「ベサメムーチョ」を歌った。北海道からやってきた女性は、プロはだし。ご要望に応えて、何曲も歌ってくれた。ワンマンショー。彼女のさまざまな苦労話に耳を傾けながら。

 朝、八時半に重い体をやっと起こした。家事を済ませ、いつもの通り、亀の池を掃除。猛暑が続いているが、亀はいたって元気。あちらこちらを走り回っているので、彼の見張り番をしながらの掃除は、くたくた。

 こんなに暑いのに、なぜ亀の池の掃除なんてするのだろう。どこかの池に置いてくれば、三十六年間、休日のたび、こんな苦痛を味わわなくて済むのに。でも、あほやねん。好きになったわたしが、あほやねん。

*写真は、家出寸前の亀。直前に逮捕。亀の池の掃除中、こんな寸劇がしばしば。やはり血は争えない。私と同様、自由奔放な奴だった。

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