「布」その2

先田督裕さんは1994年12月15日に「空のある東京」という詩集を出しておられます。

「布」27号の先田さんの「人間」「お金は死ねない」を読んでいて、そうだもう一度「空のある東京」を読んでみようと再読三読しました。今回読んだ詩もおそらくこの詩集の先を模索しているのではないかと僕には思えたのだから。

詩の詳細については直接この詩集を読んでいただきたい。16年近い歳月を経ていまなお言葉の輝きを失っていないのでは。

それはともかく僕が興味を抱いたのは、先田さんの不思議な思考である。一言で言って、すべてを貸借関係、あるいは債権債務関係と読み解いていく彼の眼。会社と私、貨幣と国境、真実と嘘などなど。そしてときおりこの関係を外から突き破るものがある。たとえば友達の早過ぎる死。子の生誕。これら外からの波動。

僕は先田さんの詩をいちいち引用はしない。興味を持たれる方は実際に作品を読んでいただきたい。それより僕は思うのだが、先田さんの将来。もちろん僕の勝手な想像だが、彼は自分の半生を一冊の詩集、題して「僕の貸借対照表」として結晶するのではないかと。そうしてそれはまた永遠に停止する彼の「時計台」になるのかもしれない。

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