「日本の昔ばなし(Ⅱ)」を読む。

 引き続きこの本を読んだ。

 「日本の昔ばなし(Ⅱ)」 関敬吾編 岩波文庫 昭和49年12月20日第20刷

 この第二巻では、有名な昔ばなし、「桃太郎」、「文福茶釜」、「舌きり雀」、「花さか爺」など七十八篇が収録されている。また、今回は各地に伝えられた笑話が多く紹介されていた。もちろん、第一巻同様、様々な方法で、例えば助けた動物に連れられて竜宮へ行き、そこで宝物をもらってきた貧乏人がそれを使って大金持ちになる、言うまでもなく、決してあの世ではなく、この世で生きている間に極楽を実現する夢が語られていた。あるいは、なまけものやうすのろが、つまり、まわりから馬鹿扱いにされたりさげすまれたりしている人々が、この世で成功する物語も多々あった。

 ところで、今まで読んだ限りでは、東京や大阪、京都、奈良の昔ばなしが紹介されていなかった。こうした権力の中枢が集中した地域に住む人々は、権力成立の歴史思想に洗脳され、民衆、特に農民・漁民・狩猟民などから成立した昔ばなしは変形、もしくは消滅したのだろうか。

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