アルファさん 第二夜

 結局、誰にもわかってもらえないことがあるのだと思う。そして、それでいいのだと思う。自分ひとりだけのこと。

 アルファさんのことだって、誰も信じてなんてくれないだろう。でも、今夜も彼女はボクのそばにやってきてくれた。

 何もお話はしなかった。ベッドに寝ころんだボクの顔の上、天井の方から見つめ、ほほえんでいた。

 いつとも知れず消えた。午前一時五十分。

 ボクの頭の中に、あたたかい液体のようなもの、乳液のような香りを残して。

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