昔から読もうと思って読まなかった本、オノレ・ド・バルザックの「セラフィタ」を昨夜読みました。
この本は二重構造になっていて、片面は、「内部の人間の眼には《天国》と《霊》と《地獄》が見える」、この認識を中心とした神秘主義的な物語であり、もう一方の面は、「セラフィタ」はミンナ(女性を象徴する登場人物)にとっては最愛の男<セラフィトゥス>であり、ウィルフリッド(男性を象徴する登場人物)にとっては最愛の女<セラフィタ>である、つまり両性具有者の物語である。そしてこの両面を結合するのは、《天使》であり、それは愛を象徴する。すなわちバルザックは言う、「《学問》は《俗界》の言語です。《学問》は人間を悲しませますが、《愛》は《天使》を高揚させます。」
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。