カテゴリー:経済学・哲学系
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シュロモ・ヴェネツィアの<私はガス室の「特殊任務」をしていた>
この本の著者は、子供の頃、父が理髪店をやっていたので、バリカンの使い方を知っていた。この能力があるため、アウシュヴィッツ強制収容所で囚人の毛を剃る手伝いをするのと引き換えに、ひとかけらのパンにありつくことが出来た。著…詳細を見る -
金井利博の「核権力ーヒロシマの告発」
平和運動を持続させる、その運動を日常生活の一部として一日一日を送る、それは至難のわざであろう。ボクなどは、平和で楽しい時間を過ごすのはとても好きだが、民衆をかえりみない国家権力によって抑圧されたり破壊されたりした人々…詳細を見る -
蜂谷道彦の「ヒロシマ日記」
先日読んだ福永武彦の小説「死の島」では、広島の原爆で被爆した主人公の女性は自分の被爆体験から一歩も外へ出ることが出来ず、心の内部では破滅した広島の市街を原風景にした虚無の世界に住み、遂に同居している女友達を道連れにし…詳細を見る -
北野辰一の「戦後思想の修辞学」
ボクはわけあって今年の一月から所謂「原爆文学」を中心の読書生活をしているが、ごく最近のこと、井上光晴の「地の群れ」と小田実の「HIROSHIMA」の読書感想文めいたものを「芦屋芸術」のブログに書き終わった時、突然、こ…詳細を見る -
大江健三郎の「ヒロシマ・ノート」
ひょっとして人は、あるのっぴきならない出来事によって、自分の本来の姿を発見するのかも知れない。そして、その本来の姿を心の奥に大切におさめて、ふたたび生活を始めるのかも知れない。 「ヒロシマ・ノート」 大江健三…詳細を見る -
小林誠の「古事記解読」
おもしろい本だった。読んで、よかった、そう思った。この本の研究対象としている範囲は、古事記の中でも、まず「天地初發之時」から既に鉄器の文化圏であった神倭伊波礼毘古命(カミヤマトイワレビコノミコト)が南九州から東征して…詳細を見る -
宇野弘蔵の「価値論」、「価値論の研究」
もうずいぶん古い話だが、ボクは二十歳前後から二十代半ばまでの五、六年間、経済学の本をよく読んだ記憶がある。 経済学といっても、マルクスの「資本論」と、その理論を基礎にして厳密な社会科学としての経済学を構築した宇野弘蔵…詳細を見る -
滝沢克己の「『現代』への哲学的思惟」
この本の著者は、一九五八年に洗礼を受けキリスト教の信者になっているが、一九三三年、二四歳でドイツに留学し、ボン大学でカール・バルトに学んだことがその発端だ、そう言って決して過言ではないと思う。ただ、ドイツ留学へ出発す…詳細を見る -
ローザ・ルクセンブルクの手紙
きょうが最終回である。今まで、ローザ・ルクセンブルク選集全四巻、資本蓄積論全三冊を学んできた。芦屋芸術主催の「ローザ・ルクセンブルク読書会」第八回最終回の教材は、これである。 「ローザ・ルクセンブルクの手紙」…詳細を見る -
ローザ・ルクセンブルクの「資本蓄積論」第三篇
芦屋芸術の第七回「ローザ・ルクセンブルク読書会」は、マルクスが「資本論」第二巻で論及した社会的総資本の再生産表式に対して、特にその拡大再生産表式に対して、ローザ・ルクセンブルクが真正面から批判した論文を取り扱う。 …詳細を見る