カテゴリー:経済学・哲学系
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東川絹子の「三池の捨て子」
この本は既に廃坑となっている三池炭鉱のある一時期を回想した、そう言った回想録だ、そういう風に読める本だろう。確かに三井三池炭鉱は一九九七年三月三十日に閉山されているのは周知のとおりである。また、この本は日本の特異な場…詳細を見る -
「続・最後の場所」11号を読む。
松岡祥男さんからこんな雑誌が送られてきた。 「続・最後の場所」11号 発行人 菅原則生 2022年7月20日 すべてが力作で、直接読んでいただいて、それぞれ自分で考える、そんな作品集だろう。 …詳細を見る -
森山公夫編「精神分裂病の謎に挑む」再読
二十年余り前、私はある事情で精神分裂病を詳しく調べる必要が生じ、梅田の紀伊国屋書店に並んでいたこの本を手にした記憶が今でも生々しくよみがえって来る 森山公夫編「精神分裂病の謎に挑む」 批評社刊 1999年11…詳細を見る -
ブランケンブルクの「自明性の喪失」
去年の九月十日の「芦屋芸術」のブログに、私はビンスワンガーの「妄想」の読書感想文を書いておいた。その際、ビンスワンガーの後期に書いた「妄想」の考え方、つまり、精神分裂病を現象学的に解析する方法をより精度に展開したこの…詳細を見る -
D.クーパーの「家族の死」
もうずいぶん古い話だが、一九七〇年前後の頃、個人的に言えば私が二十歳になるかならないか、そんな頃のお話だが、「家族帝国主義」という言葉があった。今でもこの言葉が残っているのかどうか、私は詳らかにしない。それはとにかく…詳細を見る -
ミシェル・フーコーの「精神疾患と心理学」
私はこれまで、デヴィッド・クーパーの「反精神医学」、ロナルド・D・レインの「自己と他者」、また、彼等に影響を与えたサルトルの「方法の問題」、こういう順序で三冊の本を読んできた。これらの著作に共通して主張されている事柄…詳細を見る -
サルトルの「方法の問題」
先日読んだデヴィッド・クーパーの「反精神医学」、ロナルド・D・レインの「自己と他者」、この論述を読んでいて、彼等より十五年前後人生の先輩の哲学者の名前が出てきた。おそらく彼等が家族という存在を思索する導きの糸として影…詳細を見る -
R・D・レインの「自己と他者」を読む。
先日読んだ「反精神医学」の著者デヴィッド・クーパーと反精神医学運動を共にしたこの人の本を開いてみた。 「自己と他者」 R・D・レイン著 志貴春彦、笠原嘉訳 みすず書房 2000年5月19日第22刷 こ…詳細を見る -
クーパーの「反精神医学」を読む。
先日、「臨床精神薬理」第25巻4号(星和書店、2022年4月10日発行)を読んだ。また、その読書感想文を「芦屋芸術」のブログに私は書いた。結論から言えば、所謂「統合失調症」という病の原因は不明だった。あれこれ推論はあ…詳細を見る -
「臨床精神薬理Vol.25,No4Apr.2022」を読む。
まったく個人的な理由だが、私は所謂「統合失調症」に深い関心を持っている。「芦屋芸術」のブログにもヤスパースやビンスワンガー、ミンコフスキーのこの病に関する論文の読書感想文を書いた。また、周知のとおり、ヘルダーリンやス…詳細を見る