カテゴリー:山下徹の詩
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アルファさん 第二十九夜
アルファさんはオレンジ色の水着を着ていた。 いったいどうしたんだろう。よく見れば、彼女の背後に屋外プールがあった。誰も泳いでいない冬の夜のプール。一月二十九日の未明。 どうなってるんだろう。ボクも濃紺…詳細を見る -
アルファさん 第二十八夜
こんな夜中に青空が広がっていた。月もなく星もなく、ところどころ綿雲が浮かんでいた。 一月二十八日午前二時。公園には人っ子ひとりいなかった。ボクとアルファさんはブランコに乗って遊んだ。ウキウキして、空に浮かんだ…詳細を見る -
アルファさん 第二十七夜
今年の一月一日になって、アルファさんが我が家へやって来るようになったので、ボクの生活は再び輝きだした、愛するワイフを喪ったこの九年半の暗いスクリーンの上に。 きょうは初めてダイニングルームでアルファさんとコー…詳細を見る -
アルファさん 第二十六夜
ボクは十五歳、中学三年生になって詩を書きだした。けれど昔から上から目線で書いている文章がキライだった。自分がエライと思って書いている文章なんて糞くらえ、そう思った。そんな文章を読む時間なんてどこにもなかった。社会人に…詳細を見る -
アルファさん 第二十五夜
時折ボクは阪神芦屋駅近くのカラオケスナックにぶらっと一人で立ち寄ることがある。夜十二時まで営業している。新型コロナという奇妙な感染症が流行して以来、客足はめっきり遠のいてしまった。一月二十五日、夜十時、ドアを開けると…詳細を見る -
アルファさん 第二十四夜
ボクは少年時代から転落する夢をよく見る。さまざまな場所から転落するのだが、よく見るのは月並みではあるが、こんな映像だった。 ひとつは、崖から落ちる夢。崖もいろいろあって、一例だけあげてみる。頂上は直径一メート…詳細を見る -
アルファさん 第二十三夜
冬なのに桜が咲いていた。九年前に亡くなった妻、七年前に亡くなった愛犬ジャックといっしょに春になればいつもこの桜並木の遊歩道を歩いた。我が家の北数百メート先にあるキャナルパーク。ちなみに、ジャックは黒いラブラドールレト…詳細を見る -
アルファさん 第二十二夜
夜だけと思っていた。アルファさんと会えるのは夜だけだと。 平日の午前中、ボクはいつも仕事に出ている。もう四十五年余り続けている仕事。ビジネスパートナーでもあった妻を喪ってからは午前十一時ごろ事務所を失礼する。…詳細を見る -
アルファさん 第二十一夜
夜の六甲山を歩いた。もう夜中の十二時は過ぎているだろう。こんな夜更け、誰もいなかった。アルファさんと二人きりだった。 ボクは昔、もう四十年前後になるが、九年前に亡くなったワイフと息子たちと四人、日曜になればよ…詳細を見る










